お盆休みを終えて、2週間ぶりの教室。子ども達に会えるのがすごく楽しみでした。

今年の夏休みも特別授業を行いました。テーマは「ストレス」。去年テーマにした「なぜ学ぶのか」もストレスも、どちらも生きるのに必要な、私たちの体にプログラムされたものです。

普段のように机は出さず、全員丸くなって座り、対話を始めます。私は最初の問いだけを投げかけて、あとは進行役のみ。子どもたちの答えから次の問いが生まれ、それぞれの考えをまた述べていく…という流れで進みます。始める前に「ここ最近ストレスを受けたことのある人?」と聞いてみたところ、全員が手を上げました。

最初の質問は、「じゃあストレスって?」というストレスの定義を聞いてみました。出てきた答えはさまざまです。脳への刺激全般 、悪いもの 、心の許容量 、怒り・憎しみ・恨みなど感情 …ストレスのイメージや捉え方が人それぞれ違うことが分かります。

この答えの違いから、ある生徒が次の問いを投げかけました。「悪いストレスだけでなく、いいストレスもあると思いますが、どうですか?」ここから対話が一気に深まっていきました。

TANSAKUでは、プログラミングと自然体験の両方を大切にしています。プログラミングは頭に負荷がかかる作業ですし、自然体験(海山川へ行き、全身を思い切り動かす)は体にしっかり負荷がかかる活動です。

実はこの「負荷がかかる」という状態、脳にとっては悪いことばかりではないようです。運動をすると、脳内でBDNFという物質が増えることが知られています。これは神経細胞の成長を助ける、いわば脳の栄養のような存在で、記憶力や集中力にも関わっていると言われています。

『脳を鍛えるには運動しかない!』という本には、興味深い話が出てきます。強いストレスを受けると、脳の神経細胞はダメージを受けます。でも、そこで終わりではなく、体を動かすことによってそのダメージから回復し以前よりも強くなっていく、というのです(もちろん、これは適度な負荷の話であって、強いストレスに長期間さらされ続けることはまた別の問題です)。

頭を使うことだけでなく、体を動かすことも、実は同じように脳を鍛えている。そして体を動かして育てたその土台は、プログラミングのような頭を使う作業にも、学校の勉強にも、良い影響を与えてくれる。もしそれが本当なら、学習塾に通わせるだけでなく、体を動かす時間も子どもに与えたくなってきませんか?『脳を鍛えるには運動しかない!』には、他にも運動が学習に及ぼす影響についてのデータがたくさん紹介されています。

「ストレスがあるから、悪い」ではなく「ストレスがあるから、成長する」。

これは、私自身の経験からも実感していることです。「プログラミング学習者の9割が挫折する」とも言われますが、初学者だったころ複雑なプログラムを組むとき、いくら考えてもわからない、できないと、ものすごいストレスがかかり、「もう無理!」と思ったことが何度あったかわかりません(今はAIに聞けばすぐに教えてもらえますが)。でも、そこを越えて、できた、わかった瞬間の「やったー!」という嬉しさや爽快感は半端ないです。

これは私の一例ですが、もし「ストレスは完全に悪いもの」だと思い込んでしまったら、その手前で「無理しない」「我慢しない」という選択をしてしまうかも。それも一つの選択肢ですが、「もう無理!」の少し先にある景色に出会えないまま終わってしまうとしたら、もったいない気がします。

授業での子どもたちの答えを聞きながら、「ストレス」という一つの言葉に対してこれだけ違うイメージや考えを持っているのだなぁ、なんとなくわかった気にならず正しい情報を得て自分の頭で考え物事を判断することが大事だとあらためて思いました。

授業後は、夏休み最後の特別な自由時間をみんなで楽しみました。学校も学年もバラバラな子どもたちが、同じ輪の中で仲良く遊ぶ姿を見ていると、こういう時間もまた大事な栄養になっているんだろうなと思います。

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